呼吸は自動的にも意識的にやる事も出来ます。そして自動的な方が勝ります。
脳の中にメカニズムがあって、二酸化炭素の濃度を自動に測るシステムがあって、
二酸化炭素濃度が上がると横隔膜は勝手に働きます。
演奏の時に、呼吸をコントロールしなくてはいけないと思い込む事があります。でも、思いすぎないとことが重要です。勝手にやってくれることに感謝してお任せできる事は任せておきましょう。
ただ、私たちの役割もあります。
立って、ハミングをしてみましょう。手をおなかと背中に手を当てて動きを観察して
みてください。長く長く、息がなくなるまでハミングを続けます。
すると、横隔膜が上がっていって内臓を上げていきます。息も上に向かっていきます。
さて、「上に向かう」
に注目してください。
前ではありません。上に行くのです。
フルートを吹くときに前に息を送り出してませんか?
私は30年に渡り意識は前に息を送っていました。
しかし、ただ上に行くことが呼吸のシステムで、前に送り出すことは自動的に起こることだったのです。
前に送り出そうとする時と、息を上に向かわせようとする事で使う筋肉が変わることを観察できますか?試しに、口の中の天井の硬いところを下で触れてみてください。
結構広く広がってますよね。
そこに息を当てようと吐いてみると呼吸にどんな変化がありますか?
上に向かわせようとした時の方が身体の下の方がより働きます。
私たちにできる意識的な仕事は、この体のシステムに合った息の方向性を思うことなのです。その事で、呼吸は上手く働いてくれます。